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日々の足あとを残していきます

Mint60

Mint60

HHKBライクで、RowStaggeredで一般的なレイアウトの分割キーボード。
キー数: 左29+右37

eucalyn.hatenadiary.jp

僕のは、いろいろ手を入れていたら、多分オリジナルのコンセプトから大きく変わって、剛健な重量級モデルになってしまった感じもする。
Gateron黒軸メインで構成。最終形では、打鍵感は静かで柔らかく落ち着いた出来になっていて、好きな感じになっている。

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Mint60

悩んだところ

1. キースイッチの選択

最初中々決められなかった。Gateron赤/茶/黒で迷って、赤は2種作って、茶は製品を購入していたので、黒になった。
スペースキー部分だけ赤軸にしたけれど、これはちょうど良かった。SHIFTも軽くしておきたい感じだけど、それほど気になってはいない。

2. キーキャップの選択

実のところまだ最終的に決めていないけれど、Archiss ProgresTouchの交換用キーキャップが遊んでいるので、これを付けている。真っ黒。2.75U/2.25Uスペースには、TALPさんで販売のDSAキャップを置くことにした。
DSA PBT ブランク キーキャップ (1個/2.25U/ブラック/グレー/ホワイト) | ...

3. 配列

右側スペースキーの配置もどれが一番いいか決められなかった。今だに何がベストなのかは結論を出せていない。

作ってみた

組み立ては、特に困った記憶はない。ダイオードの配置が少し変則的なので、実装箇所を探すのが難しかった?くらい。でもPCBのプリントは簡潔で分かりやすかった。
ProMicroの実装もキースイッチの裏側に載せる形だったけれど、ビルドガイドが親切で、該当部分のキースイッチはピンカットするように指示があって、確かErgoDashよりもMint60の方が先に実装したけれど、問題には遭遇しなかった。

スタビライザーを初めて使ったけれど、ついつい上下逆につけてしまうことがたまにあった。
スタビライザー周辺のトッププレートと周辺のキースイッチが、浮き気味になってしまうのは少しクセがあると思った。
後で筐体の剛性強化対策を施す際にもハンダの付け直しが何度か必要だった。

ボトムプレート

それより、ボトムプレートの組み立ての方が手間だったかもしれない。
カバー部品が細くて、多くて、最初仮組→本組の手間も避けていたりして制作の進捗も他より遅くなってしまった。
そこのパーツは接着剤で一体化したら最終的に手間も解消したし、剛性強化の効果も得られたので、この後の改造に繋がった。
アクリル接着剤の使い方は慣れが必要だけど、これは基本的にやっておいた方が良いのじゃないかと思った。

自作キーは大体、電装よりもアクリル工作に掛ける時間の方が長くなっているな。
Mint60の電装作業で一番手間だと思ったのは、テープLEDの取り付けだった気がする。

右側レイアウトの選択

Mint60の右側モジュールは、スペースバーの分割パターンを3通りに選択できる。
これはどういう利用シーンになるかイメージが全然湧かなくて、決めるのに困った。
スペースバーは良いとして、普段から日本語配列スペースバー脇の[変換][無変換]キーの意識はいい加減になってしまっていて、[無変換]だけはカタカナ変換の場合に比較的使っている感じもする、という程度だ。
HELIXやErgoDashに慣れたので、それらで使っているレイアウトに寄せて親指にレイヤキーを振っていきたい感じだけど、HHKB-JPからあまり外したくもなく、フルキーボードとの互換性とカスタ真伊豆具合のバランスをイメージできないままだった。
結果、1.5U-2.75U-1.5Uの構成にしたけれど、やっぱりこれはサンプルに従って2.75U-1.5U-1.5Uの方が良かったかなと、今使いながら思っている。

静音化

元々、静音化にはそこまで拘る質ではなかった。Oリングを付けてみて、何だかイマイチかな~と思う程度だった。
このMint60を組み立てた時、スタビライザーの騒音が大きくてびっくりしたので、全般的に少し踏み入れることになってしまった。

スタビライザーの対策

ルブを施さなければいけないなと思ったきっかけ。
ハンダ付けも終わって組み上がった後でもうバラしたくなくて、このスタビライザーの騒音だけ対策できれば良かったし、安くてカンタン目なやり方にしたいと思っていた。
タミヤの模型用シリコングリスを入手してスタビライザの可動部分へ注入しただけだけれど、十分、劇的に改善した。

キースイッチへの対策

スタビライザーへの対処がうまくいったので、キースイッチも何とかできるかなと思い、同じくシリコングリスを注入しようと思ったけれど、組み立て後ではスイッチ内部へのアクセスは難しい。
諦めるかちょっと迷ったけれど、シリコンオイルを使ってみた。
結果として、Gateron黒軸+シリコンオイル潤滑は、個人的には一番好きな組み合わせになっている。
キープッシュは滑らかであり、バネの反発は程良くあるので、すごく静かで落ち着いた感触になっている。
次に作る時も同じように黒軸系の組み合わせにしたいかなと思っている。

筐体の剛性強化対策

1. トッププレートの押さえ(サイドパネル)

トップ/ボトムの剛性強化と、側面の埃侵入の予防の意味で7mm幅/3mm厚のアクリル板を必要サイズに切り出して、接着した。
サイズがなかなかジャストフィットしなくて、長さ調整のヤスリがけが手間だった。きちんと測って、お願いしちゃった方がやっぱりキレイだったなと思うけれど、現物合わせになると結果同じことなので、自前にした。
実装は、ボトムプレート側にアクリル接着剤(アクリサンデー)で行ったけれど、接着剤注入の手順、その直後数秒間の部品押さえ、接着剤がはみ出して汚れてしまう、というところがやっぱり難しくて 、キレイにできたのは一か所だけだったな。
アクリル屋さんの手順もちょっと参考にしたけれど、仮固定用のテープとかアクリルの保護紙に染みちゃうとアクリルの表面が荒れてしまうところが。
プレスリリース|アクリ屋ドットコム
アクリルの接着方法 | Minakome blog

剛性強化の意味ではトップ側に接着したかったけれど、PCB側のメンテナンスが物理的にしづらくなるのでボトム側へ接着した。
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手間はかかったけれど、剛性強化の意義は大きいと思うし、雰囲気もだいぶ変わるけれど、個人的には施工後の方が好み。

2. トッププレートの補強

ErgoDashの場合と同様に、右側スペースバー周辺はトッププレートの開口部が大きいので、これを塞いで補強するもの。これをするとスイッチの位置換えができなくなるので、位置決めをFIXするまで待ったけれど、レイアウトは今になって修正したい気もしている。
あと、トッププレート-PCBの間の空間に3mm角のアクリル棒を入れる補強もした。
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アクリル棒は、板に比べて加工が楽でいい。

3. ボトムプレート カバーパーツ部品の接着

ボトムプレート奥側の、ProMicroカバー+底上げパーツを、分解の度に組み合わせるのが面倒だと思ったのがきっかけ。
サイドパネルよりはずっと作業しやすいと思うけど、よく見ると若干ずれがあったりして、準備と練習が必要だと思った。
ここを接着してみると、結果的に筐体としての剛性が向上して、打鍵感が安定することに、結果として気が付いた。
これは、おススメできるやつ。

4. ボトムプレートの強化

ボトムカバーパーツ接着の効果を見て、もう少し何か剛性対策できないかと思ったのがきっかけ。ErgoDashで、ボトムプレートを重ねたらすごく感触が良くなったので、Mint60でも同じようにできないかなと。
考えたのが、

  1. カバーパーツ段差部分をアクリル棒で追加補強
  2. ボトムプレートを縦方向に補強
  3. それよりもボトムプレートを交換する?
  4. ボトムプレート全体に板を重ねて補強する

のどれか。
1,2は手持ちパーツで簡単にできそうだったけれど、また手間がかかりそう。
全体デザインとしては3が良さげだったけれど、ボトムプレートは、既にサイドパネル、カバーパーツを接着済で、交換すると再利用不可で全部やり直しになってしまうので、4の板重ねを試しでやってみることにした。
3mm厚のアクリル板で補強する予定だったけれど、レーザカットをお願いする際に、流通在庫の関係で5mmになってしまった。
底面をつや消しにしたかったので、透明グレースモークの片面マットのタイプを選択。

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結果、Mint60のオシャレなコンセプトと真逆になって、剛性と重量感、そして安定感がものすごい。
別でバラストを入れて安定感を出そうかと思っていたけれど、不要になってしまった。
高さが、プラス5mmの嵩上げになるので、ちょっと高くなり過ぎるかと思って迷ったけれど、今問題は感じていない。
ただ、やっぱりこの場合は3mm板の選択がベストだと思うし、ボトムプレート自体を5mm板で作り直すのも良い選択ではと思う。
トッププレートも3mm板にしたい気がするけれど、スタビライザー周りの処理がちょっと工夫がいるかもしれない。

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サイドパネルとボトム強化の影響か、UndeGlow LEDの光がほとんど外側から確認できなくなってしまった。
LEDは通電・左右通信の状態確認ができれば十分だと思っているけれど、これだとちょっと見えないので、LEDを移設しようかな、と思っている。

使い始めてみて

キーレイアウト

僕は普段はWindowsを使っていて、WindowsではISO-106JP配列に従うポリシーにしている。
QWERTY配列はもちろん、CTRL/CAPSキー問題も含めて、標準配列から大きくは外さないというのが原則だ。
Mint60はレイアウトはUS専用なので、どうやってもJPレイアウトを再現することはできないけれど、深くは考えず「まずはキーを叩いてから考える」ことにした。
今のところ、

  1. キーコードマップはJPを使って
  2. 記号類の配置は、R1,R3はJP配列(右端以外)、R2だけUS配列
  3. 「@」キーだけR4へ追いやった

というようにした。これでそんなに困らない。

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キーマップ

右下のカーソル移動キーブロック

60~65%のレイアウトだと、HHKB(JP)を含めて、右下部分に格子配列を並べてカーソルキーに充てるレイアウトが多い。
Mint60を選択したのもこの部分を含めてHHKBに近くて、キー数に余裕が出ることがポイントだった。
でも、どうもこのカーソルキーブロックは、HHKBも含めて僕は好んでいないみたいだ。
何がダメかというと、

  1. 右SHIFTキーは右端に欲しいので、右SHIFTキーの内側にカーソルキーを置くことになる。
  2. 右SHIFTキーの幅が小さくなる。

この2点が複合するとやっぱり困っていて、どうしても右手小指系のミスタイプが避けられない。
HHKBもこの辺がうまく順応できずに離れてしまうので、Mint60では、この右下のカーソルキーはレイヤに隠してしまった。

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レイヤと機能キーの割り当て

カーソル移動系の[Fn]レイヤーのキー割り当ては、HHKBに準拠した形で設定してみている。
HHKBとの間で違和感を少なくしておきたいためだが、[Fn]キーに相当するレイヤキーは、他のErgoDashやHELIXと同様、親指スペースキーに同居させているので、使用感はHHKBとは大きく変わってしまう。段々、HHKBも使えなくなってしまう感覚がある。
F1~F12(Fx)キーも、自作キーボード群に同じく、F1~F12までを左手に寄せた割り当てをしている。
大体片手で操作できる点と、Fxキーは左右に分かれているとどちらにあるか瞬時に分からなくなってしまうことがいまだにあるからだ。
結局、HHKB互換を忘れて他の自作系のキーボードと一緒にした方が良い気もしてきている。

スプリットとSHIFTホーム

Mint60を使うようになって初めて自分のホームポジションの取り方に気が付いた。
ホームポジションは、「F」と「J」、ではなくて、実は両手小指でそれぞれ「端っこ」を探っていた。
SHIFTキーを基準にして小指を軸としたい癖がついているんだと思う。
右SHIFTキーは右端のキーに設定しているので、スプリットでも左右対称型だと"ちょうどいい”のだが、Mint60のようにフルキーボードベースで「5-T-G-B」「6-Y-H-N」列で分割するレイアウトだと、右手人差し指が「6-Y-H-N」に届かない。そもそも「6」は左手の方が近いし。
それに、右手が左端から「落ちる」ので、どうしても左端に指を持っていきたくない感覚を覚えてしまい、気が付くと僕の右手はMint60の右端に寄った場所に居座っていて、1キー右にずれたミスをすることが多い。
なるほど、それでスプリットには抵抗があるんだなと納得の行く考察ができたが、今のところMint60は、左右をほぼ接した状態でタイピングをしている。

僕のMint60では右モジュールのスペース+レイヤキーを真ん中に置いてしまったので、それも右手が右端に寄っていく原因になっている感じがする。
親指SHIFTに移行すればこの右手を中寄りに置くことはできる気もするけれど、もう標準配列に戻れる気がしないし、親指は主にレイヤキーに振っていて、今度は親指が忙しくなりすぎる。

そんなこんなで、レイヤと、記号キー/機能キーの配置はもう少し検討の余地があるけれど、Mint60ではほとんど違和感なく文章の入力ができている。

不具合

Mint60は初見のイメージよりも遥かにスムースに使えている感じがするけれど、最近気になってきたことがいくつかある。

1. 左右モジュールの通信不良、不安定

突然右側が反応しなくなったり、初期接続時に右側と通信ができなかったりする。何度か繋ぎ直しをやっていると復旧することもある。

2. 右側の[K][L]から[ENTER]までが反応しないことが稀に起こったりする。

以前、TRRSケーブルの突然の不良発生に当たったこともあるけれど、今度はケーブルではないと思う。
分割キーボードは左右通信に問題を抱えると致命的だし、頻繁ではないけど、気にしながらだとちょっとタイプも落ち着かない。

こちらの記事も参考にさせて頂き、様子を見ているところ。
Lunakey Miniが片手だけ動かなかったときに確認すること

また中を開けてみないといけないかな。スイッチのハンダ不良なら分かりやすいけれど。

後日の経過

基本的に毎日、職場と自宅の間で持ち運んでいるけれど、

  • 職場に持ってくるとたまに通信不良になっている
  • 自宅に持ち帰って、ケースを開けて、状況を確認していると復活する

ことが多い。テープLEDの絶縁はしっかり取っているつもりだけど、LEDのレイアウト変更もしたいので、一回外してみようかな。


今度は、右SHIFTキーを侵食せずに、カーソルキーはある程度独立させたISO-JPな65%レイアウトを考えたいと思っている。

※ 記事を書くとき使ったキーボード: Mint60

Archiss ProgresTouch Retro TKL

初めて使ったメカニカルキーボード。Cherry MX茶軸。

archisite.co.jp

カニカルスイッチという名前が出回り始めたなと思った頃、目にするモノはFILCO青軸ばかりだったので、メカニカル=カチャカチャ音がすることだと思っていた。
購入は確か2017年頃、RealForce 91U(初代TKL)を使っていたけど、どうもタイプミスが増えていて、何か変えてみようかという動機で買ったと思う。
テンキーレス一択だったけど、軸色はすごく迷って、ProgresTouch Retro TKLの茶軸を、悩んだ末選択した。
何度も店頭で確認したけれど、結局は日常で使ってみないと分からない。

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ProgresTouch Retro TKL 、下側は元のキーキャップを取り付けたHELIX

特に思い入れがあるということもないけれど、現在は標準品という位置づけで置いている。

打鍵

最初の状態での感触は、ごく普通なんだろうけれど、期待していたよりも、軽く、カチャカチャと”騒々しい”感じだった。
多分軸色は何を選択しても感想はそれほど変わらなかったと思う。
感触はRealForceの方が良かったけれど、当時はどうにも体が疲れていて、軽いProgresTouchの方をメインに切り替えた。
※キータイプが不調なのは、キーボードのせいではなくて、自分の体の方の問題だった。

キーキャップ

標準はDoubleShotのかなり肉厚なタイプ。
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  • 物は悪くないはずなんだけど、表面の触感とDoubleShot故のフォント形状がどうも好きではなかった。
  • 無刻印なHHKBを使っていた経緯もあり、アーキサイト発の交換用キーキャップ(無刻印)が売られていたので、いっそ換えてしまえと、全交換してしまった。
  • ただ、完全無刻印だと記号系の位置が意外と分からず、キー数が多いとこうなりやすいらしいけれど、記号系のキーだけ標準に戻したら、実は標準品とは高さが合っていなくて、どうしても落ち着かないことになった。
  • 結局、同じセットの刻印タイプも追加購入して、無刻印キーと組み合わせた。

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標準キーキャップは、HELIXに仮装着中(でも見た目は意外と似合う)。
交換キーキャップは、ProgresTouchとMint60で分け合って装着している。
これは、手触りが良く不満なく使い続けているけど、今は販売していないらしいですね。

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ProgresTouchとMint60

構造

年末にクリーニングする時にたまに開けていたけれど、自作キーボードに触れるようになってからは、すっかり見慣れた感じの構成。
メインはプリント基板と、鉄製のトッププレートにキースイッチが嵌っている。
それを、プラスチック製ケースがトップとボトムから挟み込んでいる。

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ケーストップを外して、
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PCBをボトムから外したところ。miniUSBのプラグがPCBからケースに伸びている。

鉄のプレートは硬く、重く、剛性・重量感では申し分ないのだが、その衝撃をプラケースが受ける際の振動と反響音が大きいので、騒音が気になる感じになっている。
どちらかというと、プレートはもう少し軽くても良いので、筐体ボトム側を重く・硬くした方が落ち着いた感触になるはずだ。

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コントローラ CY3C63413C-PVXC

静音化

スタビライザーへのグリス注入、スイッチへシリコンオイル、Oリング(1.5mm)の装着
自作キーボードで施した標準コースは一通りやってしまう。
これで主なノイズはほとんど低減される。
残るのは、キーの底打ち音、キー戻りの衝突音と、それらが筐体内で反響する音。
この、筐体の反響音を対策したいと思う。

筐体の剛性強化

PCの筐体などに施行したデッドニングの要領で、底板が振動しないように、3mm厚のアクリル板を切り出して両面テープで張り付けた。
内部のクリアランスが意外と厳しいので、意外と自由が利かない。
貼り付ける板厚を2mmにすればもう少し全面的に貼れるかもしれないが、手元の部材の関係と、板材の加工も面倒なのでこのままにした。
貼り付けはブチルテープの方が良さそうだけど、加工しやすい適当な両面テープを使った。
ひとまず程々なところで留めてみたが、底板からの反響はほとんど解消された。

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判り難いけれど、ケースボトムの内側にアクリル板を張り付け

あと、ケースボトムがプレートを支える受け軸に2mmのOringを置いた。悪い感じにはなっていないと思う。
トップカバー側はさらに空間余裕が少なくて、手持ちの材料ではできることがなかった。
ひとまずボトム側の対策の効果の様子を見ている。

効果・・・

ENTERキー横の右端編集キーブロックの間は空間が空いたままになっていて、他の部分が固くなったせいかENTERキー入力時の反響音だけが特に目立つようになった。以前はスペースキーが一番騒々しかったと思う。

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ここの内部空間を潰したら、もっと硬くなるだろうけど、期待する結果になるかどうかはわからない。
次に我慢できなくなったらやってみようと思うけれど、こんなことを今書いているくらいだからやっぱりちょっと気になっている。

まあ全体として、オリジナル状態に比べたらかなり静かになり、”ガチャガチャ”な感じは半減した。
一番大きいのはキーの戻り音であり、それに交じって茶軸の”ペチペチ”という僅かなタクタイル?音と、ENTERキー周辺の入力時のこもった反響音が鳴っている。
ENTERキー/カーソルキーは良く叩くので、反響音は気持ち良い感じではないけれど、キーの入力感触そのものはそれほど嫌いなものではなくなった。

タクタイル型Cherry茶軸にオイルを注したけれど、茶軸でもCherryの方がGateronよりも控えめで静かな感じになる。
僕は打鍵音よりも、摩擦感と摩擦音が気になってしまうので、今の状態の方が好みには合っている。
ただ、"タクタイル音"が却って安っぽく聞こえる感じもあるので、それならリニア軸を選ぶでしょ、ということなのかなと思っている。


総合

ProgresTouch Retro TKLは、標準のAPPキーの位置にFNキーがあるけれど、意味を成していない。同じシリーズのRetro Tinyの方がまだ合理的だ。
現在は「標準キーボード」として非常用に置いてある役割。自作キーを使っているときに、突然キーの反応がなくなったり、キー割り当てを忘れていた時用に常備している。(INSキーとか・・)
そういう位置づけなので、"Keyboard Quantizer"を挟んだり、コントローラをあれこれしたりしてマップを書き換えたいほどの欲求ではない。標準品としてリファレンスになってくれればそれでいい。

この記事のために久しぶりにタイプしているけれど、静音化+ノイズ対策の結果、悪くはない気がしている。
シリコンオイルを注すと軸の摩擦感がほぼなくなるので、どんなキーボードでも感触は良く、音は音は軽快になる。
対策後の感触を確認するためにもうしばらく使ってみることにする。
反響音対策はもうちょっとやれそうなので、気が向いたら手を付けてみようと思う。



後日: 右側ブロックに反響音対策をしてみた結果

その後気が向いたので、メンテナンスのついでに右側ブロックの対策をやってみた。
考えていたいくつかの方法は、カンタンそうな方から

  1. トップ・ボトム側のどちらかを吸音スポンジ(スポンジゴム)で埋める
  2. トップ側のカバー剛性の強化
  3. スイッチプレート(鉄)の開口部をどうにかして埋める

というところ。

剛性強化は、アクリルや金属板の貼り付けで対策できるけれど、空間クリアランスの制約などで迂闊にやると逆効果になったり、徒労に終わったりする。
スポンジゴムは加工がカンタンだけど、ちょうど良い厚みのものを必要な位置に入れてあげないと効果が出ない。
まずは様子見のつもりで再びカバーを開けてみたら、トップカバーのクリアランスが結構大きくて、手元に残っていたアクリル板端材が微妙に嵌りそうだったので入れてみた。

  1. INS/DELとカーソルキーの間の空間と
  2. カーソルUPキーの脇、これは板材を用意するのが面倒だったのでとりあえずENTERに近い側だけに入れて様子を見てみた。


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結果は、大変良い!音が固くなって、響くことがなくなった。
むしろ早くやっておけば良かったが、しばらくレギュラー使用してみないと何とも言えないところだったかな。

最後にダメ押しで、スポンジゴムも入れておいた。
UPキー横は左側だけの対策になっていて、右側も妥協せずに対策するともう少し良さそうだけど、実用上、もう十分じゃないかという気がする。


このキーボードは、それなりにタイプが心地良くなってしまったので、またしばらく常用していく感じになりそう。
他にキーボードにこだわるモチベーションが少し薄れてしまう気もするけれど、タイプが気持ちいのは良いことだ。

タイプ感が良くなると、用もないのにキーを叩きたくなってしまうのは、困ったところだ。

トラックボール Logicool M570

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どれくらい使っていたか定かではないけれど、M570の初代無印。
最初は慣れなくて放置していたけれど、手首の腱鞘炎が耐えられなくなったので、職場で使うようになった。
EXCELのセル選択と細かい図形編集系は少し苦手だったけれど、これのおかげで僕の右の手首は救われた。
何年か使って、いい加減ヘタってきたので、職場の方は同じくLogicoolのMX-TB1へリプレースして、自宅に放置しておいたもの。
最近、キーボードにシリコンオイルを注したら効果があったので、M570も少し復活できるかな?という気になり、ちょっと手入れをしてみた話。

問題があったところ

順に挙げると

  1. ボールの滑りが悪い
  2. ホイールも重くて鈍い
  3. 左右クリックが反応が悪くて、若干チャタリングっぽいこともあった。
  4. クリックボタンがヘタっていて、ギシギシと音がしたり、クリックの戻りも悪く、とにかくクリック感が悪い。

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左右ボタンのマイクロスイッチにKURE556とか、潤滑油を注す対処は以前にもやったことがあった。
チャタリングはその時に少し改善した気もするけれど、問題の多くは筐体側にあったので使用感はあまり変わらなかった。

やってみたこと

まずいつも通りにクリーニングをしてから

1. ボールカップの"ルビー"を中心に、シリコンオイルを塗布して馴染ませる
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2. 左右クリックとホイールボタンのマイクロスイッチにシリコンオイルを注す。
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3. ホイール軸にシリコンオイルを注す
4. ボタンカバーの固定部分をM2ネジで補強
5. ボタンカバーと筐体が擦れる部分にもシリコンオイルを注す。
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元々のボディとボタンカバーの固定方法は、位置合わせ用の突起と穴で組み合わせた上で、ツメでハメ込み固定する構造。
この構造上の特性で、経年による緩みとボタンカバー部品の反発力が弱くなったせいで、クリックボタンのガタつきと感触の悪さにつながっていた。
この「位置合わせ突起」がネジ受け穴のような形になっていて、ボタンカバーの固定強化に使えそうだったので、手元に余っていたM2ネジ/5mmをねじ込んでみた。
突起側の穴はM2ネジに比べて若干小さく、 強く締めすぎると割れてしまいそうだったけれど、高さがちょうど良くてボタンカバーを押さえる効果があり、クリック時のボタンの反発力を少し高めることができた。

これだけでもかなり効果があって、ボールの滑りは劇的に改善し、クリック感もかなり軽くなった。


使用したシリコンオイル:

AZ(エーゼット) シリコーンオイル

タミヤなどのプラスチック模型用のものなら大体同じなのかなと思う。
まだ当分使い切れる感じがないので、比較するに至っていない。


その後と、続けてやったこと

  • ボールの滑りは良くなって、躓くこともなくなって満足。
  • クリックボタンは、スイッチの音の軽さは良いけど、左右差が気になるようになった。右ボタンのクリック音が妙に大きい気がする。

クリックするまでの遊びが大きすぎる感じがするので、空間にスペーサーを入れてみた。

  • 左右クリックの差は、PCB下部のシャーシ側の支えと音の反響にも関係があるのかも。
  • クリックボタンカバーの、剛性はもう少しだけ硬くしても良い気がするが、どうやるか。0.5mmくらいのプラ板でも貼ってみる?
  • ホイールボタンは、硬いし、音が大きいのが気になるけれど、ほとんど使わないから良しとする?

PCBの下にゴムスポンジでも置いてスイッチの衝撃吸収をしてみる?

  • サイドボタンはどうにも改善材料がないけれど、結局使わないからいいか。
  • 何度も繰り返し分解していたら、ボール側フォトセンサーのフラットケーブルを止めるコネクタを壊してしまった。固定はできるから利用に影響は出ていないが。。
  • せっかく感触は良くなったけれど、電源系の接触が心許ない気がする。


ボールと、左右クリックスイッチのメンテナンスはおススメで、MX-TB1やほかのマウスにも同じ処置を展開している。