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日々の足あとを残していきます

キーボード (2)

今のところ、僕にとって自作キーボードの意味は、キーマップ・レイアウトの自己最適化と、スプリットキーボードを使ってみることの、大きく2つになっている。
元々やりたかったのは前者で、後者は当時たまたま分割キーを作成されている方々が多かったからそうなったと思う。
この記事も、最初はErgoDashで練習タイプしながら思ったことを書き出したくなって書いたメモだったけれど、改めてMint60で書き直しをしている。

分割キーボードとの付き合い

  1. ergo42 2018年夏 biacco42.hatenablog.com
  2. Helix (5rows) 2020年末 Helix キーボードキットshop.yushakobo.jp
  3. ErgoDash 2020年末 ErgoDashshop.yushakobo.jp
  4. Mint60 2020年末 eucalyn.hatenadiary.jp

スプリットキーボード自体は、もっと昔どこか店頭で見かけていたが、少し作りが華奢な感じがしていて「壊れそうだなあ」というのと、自分はちょっと順応できそうにないし、必要でもないなという感想を持っていた。
製品は覚えていないけど、MISTELみたいなものだったのかなと思う。

SunのType5キーボードがとても自然で好きだったので、PCにも同じような感じのが欲しいと思ったり、テンキーが邪魔なのでノートPCみたいにテンキーレス型が欲しかったけれど、当時はほとんど流通していなかったりしていた。
当時、USBがまだない頃、既にHHKBは完成形だったけれど、Windowsで使うには色々不便な点のほうが多くて、高価で、若造にはそこまで振り切るのは難しかった。

PS/2世代ではその後、 富士通高見沢のテンキーレス型 (FKB8744) を見つけて長らく使っていたのと、その後USB接続のRealForce初代のテンキーレス (RealForce91U)が出てきたので、その辺に落ち着いていた。
それでも、何か違うと感じていた頃にたまたま出会ったのが@Biacco42さんのErgo42の記事 だった。

ポイントだったのは

  • キー数が少なく、HHKB以上のストイックさが求められる
  • キー配列が自在にカスタマイズできる
  • 自分で組み立てる

特に2点目は、どんなキーボードを使っても必ず直面する課題なので、一瞬にして惹きつけられたポイントだったし、自分で作るというのがやっぱり何よりも良かった。
この時の僕は、RealForceで一定の満足はしていて、HHKBも持っていて満足だけど使うと何か疲れるのでコレクションと化していたり、それでも頭痛肩こりのせいかキーがうまく打てていなかったりして、メカニカルも試してみようかと1つ購入して使っていた時期だった。
もう、それ以上を深追いするモチベーションではなかったけれど、この世界に一気に引き込まれた鮮烈な印象を残す出来事だった。
キーボードって、自分で作っていいんだ、って。

Ergo42

BOOTHで即買いして、スイッチはTALPさんで買った気がする。Gateron赤軸。
最初のメカニカルキーボードを買う時も、Cherryの黒/赤/茶でかなり悩んで茶軸を選んだので、今度は赤軸にした。
キャップは、その前に使っていたキーボードのキャップをとりあえず当てがって後で考えることにした。

Ergo42は構造が非常にシンプルで、ミニマムといえるものだった。
キーボードそのものについては、別に書いてみたいと思う。

  • Ergo42を組み立てる (後日書く)
  • Ergo42を使ってみる (後日書く)

組み立ては、はんだ付けの数は多いものの難しくなく、焦らずにやれば中学生の教材でもいいなと思うくらいだった。
数が多いからいい練習になるし。ただ、キースイッチを実装する穴が大きいのが意外と大変に思ったのと、初めてだったのでかなり丁寧に作業をした記憶がある。
組み立てが終わり、QMKの準備もすんなりと終わり、実際にいざ使ってみると、思ったよりもハードルが高いことがそこで初めて判った。

  • フルキーボードから格子配列に移行するのが、想像していたよりも難しい。人差し指、中指はあまり問題ないが、特に左手外側、A-S-D, Z-X-Cが(今でも)難しく、 キーずれてしまう。このため、コピー、カット、ペースト、Undoを良く間違えてちょっと怖い。
  • F1-F12が使いにくくなるのはHHKB同様で想像していたけれど、それ以前に数字キー列がないことはものすごくつらい (この時期は、EXCELの編集も多かったと思うので、今思うと本当に)
  • 他のMX軸のフルキーボードのキャップを移植したけれど、高さがガタガタでレイアウトの入れ替えなんて無理。
  • 打鍵感が、想像して期待したよりも気持ち良くない。無難そうなGateron 赤軸を採用したものの、十分にカチャカチャとうるさい。
  • 筐体が軽すぎて、ガタガタ動いたり、押さえると逆に変な力が入ってしまう。フルキーボードだと片手が支える役割を担っていることが多いことに気が付いた。
  • アクリルプレートが汚れるのがとても気になる。

などなど。よくあることだと今は思う。
配列とかいろいろあったけれど、筐体の重さが足りない、安定しない、というのが一番困った問題だったと思う。

その後
  • キーキャップは、DSAのタイプを用意した。レイアウトの制約から解放され、ようやくキーマップに集中できるようになった。
  • キーレイアウトは、キャップの刻印に関わらず、ISO-JPをベースにする基本ルールにして、何とかなるでしょ、と思っていたけど、ならなかった。
  • Ergo42は、列数に余裕があるので、ZXCV..の行だけ1列右にずらしてみたり、
  • そもそもSplitに慣れていないので、T-G-B列、Y-H-N列を両方に置いてみるとか、
  • 普段は右手にまとまっている記号キーは、並べ替えちゃうとどこに居るのかさっぱりわからないとか、
  • キーレイアウトは常時試行錯誤中なので、キーキャップ表示も定まらないし、印刷してもまた変わっちゃうし、
  • キー入力に普段使わない頭を使うので、頭も疲れるし、肩にも力が入ってしまって全然Ergonomicじゃない状況

と、非常に大変で、脳の消費カロリーが高そうなのは嫌いじゃないけど仕事で使うのは無理っぽい。。。と思ってしまった。


その後も色々、練習も改善もしてみて、格子配列と左右分割には一定レベルでは慣れた感じがしたけれど、自分にとっては、上位数字キー列はあったほうが良いなというのが、その時の実感だった。
数字キーと、組になる記号キー、それからF1~F12(3つくらいしか使わないけど)キーの使い分けが大変だったなと、いう思い出になっている。
その頃は、Windowsで、EXCEL数式編集うやPowerPointを多く触らなきゃいけない時期だったことも大きな要因だと思う。HHKBでも疲れるので。


キーボードの条件

慣れと訓練の要素は別として、改めて僕のキーボードに対する条件を整理すると、こうなった。

  1. 数字キー列を含めて、メインキー部のみで4行必要。
  2. 記号キーの再配置も考慮すると、キー数の削減はあまり求めたくない
  3. レイアウトは基本的にはISO-JPに寄せて、使いながら考えるほうがいい
  4. 記号系はある程度右手に集められる方が効率が良いのでその分のキー数が欲しい

そう考えた結果、当時入手可能だったキットのうち、選んだものが

  • HELIX (後日更新)
  • ErgoDash (後日更新)
  • Mint60 (後日更新)

の3つだった。

当時、DH60のような非分割な60%のキットに辿り着いていたら、そっちを選んでいたと思う。その頃、容易に入手できたかどうかは知らないけれど、少なくとも僕は見つけられなかった。ISO配列には拘っていたかもしれない。
Ergo42も諦めたくなかったので、手を入れている途中だったけれど、そのうちに「結局、フルキーボードが良いな」と落ち着いてしまい、これらの自作キーボードに触れるまではずいぶんと、2年以上の時間を空けてしまっていた。

改めて

2020年になって、いろいろスッキリして思い立ち、これらのキーボードを組み立てを進めることにした。それでも着手できたのは年末だったけれど、それぞれ実用できるようになったので、普段使いのフルキーボードを押しのけ、使ってみている。
今の現状を改めてみると 、

  • 分割キーでブラインドタッチはしばらく無理っぽくて、つい手元を見ている (キーボードを入れ替えたり、取り替えたりしているのも原因)

タイプミスしたときや、記号キーの割り当て位置、レイヤーマップは、キーに目を落とさないと出てこない

  • レイアウトはやっぱり ISO-JPベースが良くて、キャップは、無刻印や、不一致でもいいけど、ついついキー位置を見ざるを得ないので、そこで刻印に釣られてしまうし、迷ってしまう。

そう。分割・格子配列にすると、どうせ、記号キーの配置はフルキーボードとは全く違うものになるので、結構な頻度で手元を見ている。

そんな感じになっている。

キー刻印に引っ張られてしまうならば、JP配列にこだわる必要は無くて、US配列に合わせてしまうほうが合理的だな~、と感じているけれど、どうしても右手定位置から離れられないキーもいくつかあって、ここは手の反射動作に任せたいなと思っている。

今のところ、HELIXとErgoDashを、キーマップの互換性をある程度確保しながら使い分けているところで、キー配列はJP基本のルールを踏襲しているけれど、そのうち変更してもいいかなと思う。
でも、この調整を始めるとそれだけであっという間に時間が経過するので、我慢できなくなるまでステイだ。
HELIXにはJPの、ErgoDashにはUSのキーキャップをつけていて、キーマップは大体共通にしてある。僕の場合の、基本キーマップとして落ち着いてきたかなと思う。
Mint60は、HHKBに寄せるのが良さそうだけど、やっと使い始めたので考えているところ。

後で、現状のキーマップも貼っておこうかと。


この記事は、最初はほとんどErgoDashで書いた後、書き直しはMint60で行いました。