ErgoDash
ErgoDash
Ergo42の後に、反省を踏まえてチャレンジしたキットのうちの一つ。
似た感じのものがいくつかある中で選んだポイントは
- キー数が十分あること(数字と記号の割り当てに困らない)
- OrthoLinearではなく、ErgoDoxに近い。サムクラスターを最大限使ってみたい
そんなところ。
Gateron茶軸 (一部 赤/黒)、キーキャップはフルキー用のOEMとDSAを混成した。
構成
スイッチは、3つのキット用にGateron黒、赤、茶を用意したけれど、割り当てを悩んだ。すぐに着手できなかった一因でもある。
最終的には、間違ったらもう一度と思って茶軸を選択した。結果としてこれは良い組み合わせだったかなと思う。
2018年に購入していたので、PCBはRev1.1。
キット付属のプレートは透明アクリルのサムクラスタが小さい(親指無し)タイプだったけど、キー数は最大限確保したかったので、これもすぐに着手できなかった要因だった。
後になって 遊舎工房さんがラインナップに追加していただいたので、購入した。
ErgoDashフルセットを構成するとして、5行×7列×左右2 の70キー (サムクラスタ部は変則) になる。
スイッチが若干数不足したので、部分的に赤軸・黒軸を混合した(70個あったはずなんだけど)。
想定と違って意外だったのは、親指はキーが重くても問題ないと思っていたのが、逆で、親指のキーこそ軽くあるべきで、結果サムクラスターに赤軸をいくつか置くことになった。
LEDは何らかインジケータとして利用できれば良いという考えだったので、UnderGlowにした。
組み立て
組み立ては色々同時に進めていたので、比較的ということだと
- 実装は、"カンタン"ではなかった
- ダイオードの配置と向きがプリントでは判り難くかったけれど、結果ミスは無かった
- UnderGlow用のチップLEDは、コツを掴むまで2~3個分かかったけど、慣れれば問題ない。でも、最初PCBの表裏を逆につけてしまい、1つは外すときに壊してしまった。
ErgoDashは組み立てに関連して色々ミスをしてしまい 、最終的には全てのパーツを取り外してやり直しをした。配列もこの時にやり直した。
これがきっかけでハンダ吸い取り機を初めて使った。
定番のENGINEER SS-02を買ったけど、これ良いですね。 もっと昔に知っていればハンダのやり直しがもっと苦ではなかったはずだと思う。
ただ、PCBのパターンを痛めるので、やっぱりキーボードではやり直しはしないで済ませたい。
ハンダ吸い取り機 ENGINEER SS-02
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普段、ハンダ付けは苦ではないし、ミスもあまりしないけれど、今回は意外とハンダ不良が多かった。
色々並行していたせいか、ハンダが薄くてスイッチやLEDが後から接触不良になるところが何か所が出てきた。
キーボードだと力や振動を繰り返し受けるので、やっぱりしっかりつけなきゃダメだと思った。最初に作ったときは丁寧に埋めていた気がする。
このキットではスタビライザは使っていないけれど、スイッチがちょっと浮いたままになっているところも何か所かあって、これは後で剛性強化対策の時に修正が必要になった。
不具合
キーボード制作で今までそんなにミスらしいものには当たってこなかったのだが、ErgoDashは自分のミスが原因の不具合が多くて、途中これは失敗になるかもと思った。
完成できないと、モチベーションも落ちるし、トラウマにもなるしで、また空白期間に入りそうだった。
最も解決が困難だったのは、片方のProMicroの裏側に来るスイッチの足を折り忘れていて、多分、左右通信用のピンに干渉していて、左右モジュールの通信の問題があったことだ。
左/右の単体動作は全く問題ないのに、使っていると突然キー入力ができなくなったり、UnderGlow LEDが片方だけ突然制御が効かなくなるなど、どう見ても左右モジュール間通信の問題だった。
しかし、部品を実装し終わってしまうと、通信用ピンの導通確認では切り分けが付かなくて、どう考えてもProMicro裏のスイッチ2つが怪しかったけれど、ProMicroのハンダを吸い取り線ではどうにも外せなくて諦めかけた。
これは、すべてハンダをやり直す決定的なきっかけになった。
このキットは残念ながらオクラかな・・・と思ったが、ダメ元でハンダ吸い取り器を使ってみたら、ピンソケットは瞬時とはいかなかったけれど、無事に外せて、問題だったスイッチの足も除去できた。
明らかに問題だったのは右側だけだったけれど、左右通信の切り分けどころが結局ProMicro本体なので、左側も解体して、もう一度組み直した。
その後は、不具合は発生していない。1回だけTRRSケーブルの不具合が突然発生して、「またか?」とブルーになったけれど、ケーブル単体の問題だった。
ErgoDashは、僕にとってはなぜかトラブルを多く抱えた事例になってしまったけれど、完成して実用することができて本当によかった。
事象
- LEDが点かない、不安定、半分しか点かない、右側が全く点かない
- キー操作は左右通信ができたり、突然できなくなったりして不安定
- 左右各単体での動作は問題ないみたい
- LEDは、1個壊してしまった他に、表面実装のハンダが浮いているのが数個あった。
その時点で回路を理解せずに漫然と組み立ててたのが、あまりにも点灯しない数が多いし、あるポイントから連続して全部消えている状態だったので、シリアル接続なのかなと思いハンダを直したら無事に光った。
左右通信の問題は対策と解決に時間がかかったので、本当に安定化して、利用できるようになるまでは1か月以上かかってしまった。
筐体
購入したキットは、アクリルプレートはサムクラスターが小型のものだったので、プレートは追加購入した。
オリジナルのキットのプレートが丸々残る形になったけれど、何かもったいない感じがしていて、ボトムプレートだけをそのまま重ねてみた。
特に狙いはなくて、ただやってみただけだったが、予想外に好感触だった。
大きな効果は2点。
+ 筐体全体の剛性が向上した
+ 重量が増え、重心が低くなり、打鍵の安定感が向上した
ErgoDashのプレートは3mmアクリルなので元々比較的しっかりしているけど、効果は大きくて採用することにした。
そのために、プレートを止めるネジの長さが足りなくなるので、10mmと12mmのM2ネジを用意して交換したほか、サムクラスター部の浮きが大きくなる分、不安定感が増すので、この部分の補強対策をすることにした。
剛性強化
このサムクラスターの「追加キー」部分は、元々オプションでPCBも切り離せるように作られているので、強度面の不安があったのに、結構な強さで叩き付ける親指の衝撃をほとんどPCBだけで吸収する構造になっているので、補強が必要だと考えた。
実際、このキーを打つときはプレートもPCBもギシギシと軋みぎみで、打鍵時は実際にたわんでいる様子だった。
この部分は、1U/2U選択可能なので開口部も大きく、プレートの強度もスイッチとの咬み合わせも弱い。
キー自体もぐらついたりするので、強度対策を行うことにした。
- スペーサーの追加
- トッププレートの強度向上の対策
- ゴム足をPCB/プレートに貼って補強する
- ボトムプレートのかさ上げ
トッププレートとPCBの間の空間をアクリル板と棒で補強しようと思ったが、2mmには満たなくて1.5mmがジャストサイズだった。
アクリル板にこのサイズがないので、1.5mmがあるPET板を使ってみた。
- トッププレートで開口部の大きい、サムクラスタ部分と、スイッチの配置を選択できる中央最下段に入れた
- トッププレートの各四隅に細長く補強を入れた。
加工はアクリルと同じく面倒だし、透明度が高くないのがちょっと残念だったけれど、強度補強としては有効。
サムクラスタ部分の下支えは、試行錯誤をしたが、PCBの下部をゴム足で支えつつ、ボトムプレート側に嵩上げのアクリル板を入れた。
ゴム足の高さの調整が難しかったり、スイッチの直下に直接入れると、打鍵時にゴムの反発を直接受ける感触が気に入らなかったり、繰り返し調整が必要だった。
今は最終形として落ち着いているが、アクリル板をもう1段嵩上げしてゴム受けをやめようかなという気もして、まだ試行が続いている。
工作が面倒なので、気が向くかどうかだ。
ボトムプレートは2層重ねたことで、ProMicro実装部のスペースが広く空きすぎるので、スペースを手持ちのアクリル板で簡単に埋めた。
接着剤で結合するので、後で融通が利かなくなってもつまらないから簡易的なものに留めておいた。
TRRSジャックの方の空間は、あまり気にならないのと、何はともあれアクリル板の加工が面倒なので、そのままだ。
アクリル接着剤(アクリサンデー)は、アクリルパーツをあれこれ加工するのに便利だけど、水のようにさらさらした液体で、瞬時に揮発するのではみ出したり失敗したりするとアクリル板表面をちょっと汚してしまう。
見た目にあまり分からないけれど、残念な箇所が数か所できてしまった。
接着は強固だけど完成後に何度か持ち歩いていたら、この穴埋め板の接着が外れてしまっているところもあった。
一番最後に、ボトムプレートの露出する部分には、透明マットシートを貼った。
このシートも接着力が強くて貼り難く、きれいな出来とは言い難くなってしまったけど、マット感はそこそこで、これで良しとした。
静音化
筐体に色々と手を加えて、プレートの剛性を高めると、打鍵音が固く、落ち着いた感じになってくる。
そうすると、スイッチ・キャップの衝突音は相対的に強調されるので、今まであまり気にならなかったカチャカチャ音と、特にキースイッチのキー軸の摩擦音と感触がどうしても気になり、 静音化を図ってみることにした。茶軸は特に摩擦感があるのではないかと思う。
ルブの方法は、色々と情報を拝見したけれど、スイッチの殻を開けるためにはスイッチのPCB取り外しがもう一度必要であり、しかしそれはちょっと勘弁という状況だった。PCBやProMicroのパターンを傷めるので。
そこで、「キースイッチにシリコンオイルを注す」でやってみた。
最初は1~2のキーで試してみたけれど、
- キー入力は静かに、柔らかくなり、大変スムースになった。一度使うと、無施工のキーでは耐えられないくらい気持ちが良い。
- スイッチの重さは、素の状態より一段階軽くなる感触。黒軸でも軽くなる。
- ただ、茶軸は摩擦感は少し残る。タクタイルのクリック部の関係だと思う。
- タクタイル感は、元々良く分かっていないけれど、「カチャカチャ」と「カツカツ」の間のような軽い感じの音がする。今、キーをタイプしているこの感触は割と好き。
- スイッチが静かになったので、キャップの出す音が強調されるようになった。キャップは安いものを付けているけれど、薄い作りで軽い音を立てている。無音より は多少フィードバックがあったほうが良かったので、1.5mmのOリングを付けてみた。
- DSAのキャップはスイッチのハウジングと干渉して大きな音を立てる。Oリングを太くしてもいまいちだったので、2Uのキーだけ1mmのゴムシートを中に付けた。
スイッチへのオイル注入は影響がないか気になったけれど、しばらくして問題はなかったので、主要キーにも適用した。
元の状態が確認できるように、1~2キーだけ残したけれど、結局はすべて施行した。
オイルを注してから1~2日したほうが全体に馴染む感じで、多すぎるとスイッチの周りに散っていることがあるので、量は少しずつ注すのが良さそうだった。
キーマップ
レイアウトは、大体固まってきているけれど、もう少しこういう感じかな?と思うところもある。
1. ファンクションキー(F1-F12)
分割キーボードだと、左右の数字キーや最上段キーにそれぞれ割り当てるのが標準的に多い印象だけど、僕は左手側にF1~F12まで全部振ってしまっている。この方が一瞬迷うことが少ないし、左片手で操作できる感覚が好きみたいだ。Fxキーはそもそも全部要らないのではとも思うけれど、たまになくて困るよりはこれで良いのだ。
2. レイヤキー
RAISE/LOWERを、左右に対応させて割り当てるのが一般的だけど、Ergo42の時からどうもこれに順応できなかった。どのキーが左右のどの位置にあって、それはどのレイヤでというところまでで精いっぱいで、ALTやCTRLと押すのはどうなんだっけ?という混乱だ。レイヤの名前は良いとして、意味合いは、主にFunction/Symbolに位置付けて、左右のどちらからも呼び出せるように、というのが基本形になった。レイヤキーは大抵左右片手で対応できるようにして、片手オペレーションが増えるけれど、頭が混乱することは少なくなった。
3. スペースキー
スペースキーは大きくなければいけない、とは思っていないけれど、大きいキー=スペースと言うのは何だか落ち着いてしまう。結局左右内側の2Uのキーがスペースキーになり、同時にレイヤキーになることになった。
使ってみて
今のところ、ErgoDashには結構慣れてきていて、まだ最適化には至っていないが、日本語文章の入力にはかなり困らないレベルになった。
たまに使わないでいるとつい、手がこのレイアウトを求めて動いてしまう感じもあって、馴染んできているかなと思う。
キーレイアウトに横方向のずれがないこの手のタイプだと、やっぱり左手左端、ASZXCあたりと上下方向の運指が数テンポ遅れているけれど、「入力」までではないちょっとした操作は片手で事が済むこの感じは結構気に入っている。
個人的好みで挙げると、SHIFTなど外側のキーは幅広が落ち着くし、最下段の機能系のキーは横幅に変化をつけて区別がつきやすいようにしたい。サムクラスターも使用感覚が染みついてきたので、もう少し合理化を図りたい。
そうすると、ErgoDoxで良いような 、そうじゃないような、そんな位置にいるけれど、今後この形のキーボードを増やすことがあるかどうか、という感じでいる。
改めて
4月になって初めてブログを書いてみることにしたけれど、何だかちょっと違う気がしてきたので一から書き直すことにした。
インターネットに晒す以上、誰にどう見て頂いても構わないし、僕が書いたことをたまたま誰かが見て不快になるようなものは決して書かないのは絶対原則なんだけど、「誰かに見てもらうため」ではないことは、最初に宣言しておこう。
これは、ただのオープンなメモだ。誰かに有益なことを語れるほど自信もないし、良く勘違いをしたまま間違いを書き残してしまい、申し訳ないこともあるけれど、そんな自分の反省材料とする意味もある。
でも、自分の中でただ閉じこもっているのも違うと思うので、書いたもの、辿った道筋は公開しておくことにする。もし万一誰かの役に立つようなことがあればもちろん嬉しい。僕が今まで勉強させてもらった方々へ感謝を表す意味で書くこともきっとあるので、もしそういう思いが伝わることがあれば幸運だと思う。
そう思ったら、感じていた違和感がスッキリと晴れた。内容は同じでも、文体も全く違うものになるし、どうせほとんど下書きばかりなので、最初から書き直してしまえと、いうことで一度リブートすることにした。
そんなところから、少しずつ書いてみたいと思います。
キーボード (2)
今のところ、僕にとって自作キーボードの意味は、キーマップ・レイアウトの自己最適化と、スプリットキーボードを使ってみることの、大きく2つになっている。
元々やりたかったのは前者で、後者は当時たまたま分割キーを作成されている方々が多かったからそうなったと思う。
この記事も、最初はErgoDashで練習タイプしながら思ったことを書き出したくなって書いたメモだったけれど、改めてMint60で書き直しをしている。
分割キーボードとの付き合い
- ergo42 2018年夏 biacco42.hatenablog.com
- Helix (5rows) 2020年末 Helix キーボードキットshop.yushakobo.jp
- ErgoDash 2020年末 ErgoDashshop.yushakobo.jp
- Mint60 2020年末 eucalyn.hatenadiary.jp
スプリットキーボード自体は、もっと昔どこか店頭で見かけていたが、少し作りが華奢な感じがしていて「壊れそうだなあ」というのと、自分はちょっと順応できそうにないし、必要でもないなという感想を持っていた。
製品は覚えていないけど、MISTELみたいなものだったのかなと思う。
SunのType5キーボードがとても自然で好きだったので、PCにも同じような感じのが欲しいと思ったり、テンキーが邪魔なのでノートPCみたいにテンキーレス型が欲しかったけれど、当時はほとんど流通していなかったりしていた。
当時、USBがまだない頃、既にHHKBは完成形だったけれど、Windowsで使うには色々不便な点のほうが多くて、高価で、若造にはそこまで振り切るのは難しかった。
PS/2世代ではその後、 富士通高見沢のテンキーレス型 (FKB8744) を見つけて長らく使っていたのと、その後USB接続のRealForce初代のテンキーレス (RealForce91U)が出てきたので、その辺に落ち着いていた。
それでも、何か違うと感じていた頃にたまたま出会ったのが@Biacco42さんのErgo42の記事 だった。
ポイントだったのは
- キー数が少なく、HHKB以上のストイックさが求められる
- キー配列が自在にカスタマイズできる
- 自分で組み立てる
特に2点目は、どんなキーボードを使っても必ず直面する課題なので、一瞬にして惹きつけられたポイントだったし、自分で作るというのがやっぱり何よりも良かった。
この時の僕は、RealForceで一定の満足はしていて、HHKBも持っていて満足だけど使うと何か疲れるのでコレクションと化していたり、それでも頭痛肩こりのせいかキーがうまく打てていなかったりして、メカニカルも試してみようかと1つ購入して使っていた時期だった。
もう、それ以上を深追いするモチベーションではなかったけれど、この世界に一気に引き込まれた鮮烈な印象を残す出来事だった。
キーボードって、自分で作っていいんだ、って。
Ergo42
BOOTHで即買いして、スイッチはTALPさんで買った気がする。Gateron赤軸。
最初のメカニカルキーボードを買う時も、Cherryの黒/赤/茶でかなり悩んで茶軸を選んだので、今度は赤軸にした。
キャップは、その前に使っていたキーボードのキャップをとりあえず当てがって後で考えることにした。
Ergo42は構造が非常にシンプルで、ミニマムといえるものだった。
キーボードそのものについては、別に書いてみたいと思う。
- Ergo42を組み立てる (後日書く)
- Ergo42を使ってみる (後日書く)
組み立ては、はんだ付けの数は多いものの難しくなく、焦らずにやれば中学生の教材でもいいなと思うくらいだった。
数が多いからいい練習になるし。ただ、キースイッチを実装する穴が大きいのが意外と大変に思ったのと、初めてだったのでかなり丁寧に作業をした記憶がある。
組み立てが終わり、QMKの準備もすんなりと終わり、実際にいざ使ってみると、思ったよりもハードルが高いことがそこで初めて判った。
壁
- フルキーボードから格子配列に移行するのが、想像していたよりも難しい。人差し指、中指はあまり問題ないが、特に左手外側、A-S-D, Z-X-Cが(今でも)難しく、 キーずれてしまう。このため、コピー、カット、ペースト、Undoを良く間違えてちょっと怖い。
- F1-F12が使いにくくなるのはHHKB同様で想像していたけれど、それ以前に数字キー列がないことはものすごくつらい (この時期は、EXCELの編集も多かったと思うので、今思うと本当に)
- 他のMX軸のフルキーボードのキャップを移植したけれど、高さがガタガタでレイアウトの入れ替えなんて無理。
- 打鍵感が、想像して期待したよりも気持ち良くない。無難そうなGateron 赤軸を採用したものの、十分にカチャカチャとうるさい。
- 筐体が軽すぎて、ガタガタ動いたり、押さえると逆に変な力が入ってしまう。フルキーボードだと片手が支える役割を担っていることが多いことに気が付いた。
- アクリルプレートが汚れるのがとても気になる。
などなど。よくあることだと今は思う。
配列とかいろいろあったけれど、筐体の重さが足りない、安定しない、というのが一番困った問題だったと思う。
その後
- キーキャップは、DSAのタイプを用意した。レイアウトの制約から解放され、ようやくキーマップに集中できるようになった。
- キーレイアウトは、キャップの刻印に関わらず、ISO-JPをベースにする基本ルールにして、何とかなるでしょ、と思っていたけど、ならなかった。
- Ergo42は、列数に余裕があるので、ZXCV..の行だけ1列右にずらしてみたり、
- そもそもSplitに慣れていないので、T-G-B列、Y-H-N列を両方に置いてみるとか、
- 普段は右手にまとまっている記号キーは、並べ替えちゃうとどこに居るのかさっぱりわからないとか、
- キーレイアウトは常時試行錯誤中なので、キーキャップ表示も定まらないし、印刷してもまた変わっちゃうし、
- キー入力に普段使わない頭を使うので、頭も疲れるし、肩にも力が入ってしまって全然Ergonomicじゃない状況
と、非常に大変で、脳の消費カロリーが高そうなのは嫌いじゃないけど仕事で使うのは無理っぽい。。。と思ってしまった。
その後も色々、練習も改善もしてみて、格子配列と左右分割には一定レベルでは慣れた感じがしたけれど、自分にとっては、上位数字キー列はあったほうが良いなというのが、その時の実感だった。
数字キーと、組になる記号キー、それからF1~F12(3つくらいしか使わないけど)キーの使い分けが大変だったなと、いう思い出になっている。
その頃は、Windowsで、EXCEL数式編集うやPowerPointを多く触らなきゃいけない時期だったことも大きな要因だと思う。HHKBでも疲れるので。
キーボードの条件
慣れと訓練の要素は別として、改めて僕のキーボードに対する条件を整理すると、こうなった。
- 数字キー列を含めて、メインキー部のみで4行必要。
- 記号キーの再配置も考慮すると、キー数の削減はあまり求めたくない
- レイアウトは基本的にはISO-JPに寄せて、使いながら考えるほうがいい
- 記号系はある程度右手に集められる方が効率が良いのでその分のキー数が欲しい
そう考えた結果、当時入手可能だったキットのうち、選んだものが
- HELIX (後日更新)
- ErgoDash (後日更新)
- Mint60 (後日更新)
の3つだった。
当時、DH60のような非分割な60%のキットに辿り着いていたら、そっちを選んでいたと思う。その頃、容易に入手できたかどうかは知らないけれど、少なくとも僕は見つけられなかった。ISO配列には拘っていたかもしれない。
Ergo42も諦めたくなかったので、手を入れている途中だったけれど、そのうちに「結局、フルキーボードが良いな」と落ち着いてしまい、これらの自作キーボードに触れるまではずいぶんと、2年以上の時間を空けてしまっていた。
改めて
2020年になって、いろいろスッキリして思い立ち、これらのキーボードを組み立てを進めることにした。それでも着手できたのは年末だったけれど、それぞれ実用できるようになったので、普段使いのフルキーボードを押しのけ、使ってみている。
今の現状を改めてみると 、
- 分割キーでブラインドタッチはしばらく無理っぽくて、つい手元を見ている (キーボードを入れ替えたり、取り替えたりしているのも原因)
タイプミスしたときや、記号キーの割り当て位置、レイヤーマップは、キーに目を落とさないと出てこない
- レイアウトはやっぱり ISO-JPベースが良くて、キャップは、無刻印や、不一致でもいいけど、ついついキー位置を見ざるを得ないので、そこで刻印に釣られてしまうし、迷ってしまう。
そう。分割・格子配列にすると、どうせ、記号キーの配置はフルキーボードとは全く違うものになるので、結構な頻度で手元を見ている。
そんな感じになっている。
キー刻印に引っ張られてしまうならば、JP配列にこだわる必要は無くて、US配列に合わせてしまうほうが合理的だな~、と感じているけれど、どうしても右手定位置から離れられないキーもいくつかあって、ここは手の反射動作に任せたいなと思っている。
今のところ、HELIXとErgoDashを、キーマップの互換性をある程度確保しながら使い分けているところで、キー配列はJP基本のルールを踏襲しているけれど、そのうち変更してもいいかなと思う。
でも、この調整を始めるとそれだけであっという間に時間が経過するので、我慢できなくなるまでステイだ。
HELIXにはJPの、ErgoDashにはUSのキーキャップをつけていて、キーマップは大体共通にしてある。僕の場合の、基本キーマップとして落ち着いてきたかなと思う。
Mint60は、HHKBに寄せるのが良さそうだけど、やっと使い始めたので考えているところ。
後で、現状のキーマップも貼っておこうかと。
この記事は、最初はほとんどErgoDashで書いた後、書き直しはMint60で行いました。